スイス山旅のフィナーレはモース・フルー
今夏のスイス山旅のフィナーレはここ、ヨーロッパアルプス最大のアレッチ氷河の末端にある展望台、モースフルーです。
前記事 ベルワルトからの続きです、7月14日。
ベルワルトからメーレルMoerelへ。テレキャビン駅の駐車場に停めて、ロープウェイでリーダーアルプ(Readeralp mittel)標高1,905Mへ上がりました。
リーダーアルプの村を東へ歩きます。
こんな山腹の集落にもホテル、アパートが多くありスーパーマーケットやスポーツ店があります。
リーダーアルプの集落を15分~20分ほど歩くと
1KMほどで氷河路線・モースフルーMoosfluhのリーダーアルプ駅に到着。ここからミニゴンドラに乗車。往復料金は@16フラン、この区間はなぜかスイストラベルパスでも半額になりません。(窓口の方いわく、ここはまだ新しく、コストがかかっているとのこと・・・あとで理解出来ました。)
ゴンドラから見下ろす山麓とブラウゼー(中間駅)。
終点のモースフルーMoosfluh駅が見えてきました。
さて、どんな風景が待っているのか。
Wah !!! 息をのむようなアレッチ氷河、モースフルーからの眺めです。全長24KMのアレッチ氷河の末端から上流域まで眺められる絶好の展望台(標高2,333m)。写真では表現しきれない広がりと奥行きです。前回2019年は少し上流のベットマーホルン・エギッシュホルンからのアレッチ氷河を、また氷河沿いのトレイルから間近にながめましたが、氷河の末端から眺めるアングルも奥深さと悠久さを感じさせます。
世界遺産のアレッチ氷河だけでなく、まわりの風景も素晴らしいです。
アレッチ氷河西側の山塊と氷河。尖ったフシュホーナー稜とフシュホルン3,626M、ガイスホルン3,740M(中央)とゼンバヒェンホルン3,386M(右端)
ネストホルン3,822Mとフスホーナー稜の間の渓谷にはベイチェ氷河。
ローヌ谷越しに見るとイタリア国境の山群で目立った山がありました。ズームアップ、Google Earthでしらべてみました。右の尖峰からヘルゼンホルン~アルペデベロ~チェルヴァンドネ。
やはりここに来たのは良かった、最後に素晴らしい風景を見納めできました。
モースフルー駅、『近年の温暖化でアレッチ氷河が後退し、ここモースフルーの地形が変化していることがわかりつくり直す必要性が出てきました。2015年12月にリニューアルされ、モースフルー駅の基礎部分に自動調整の流体圧制御システムを導入するなど、これからも変動していくと予測される地形に対応していくため随所に新技術と工夫が取り入れられている』とのこと。なるほど、お金もかかっているはず。
もっとも、このまま温暖化が進めば今世紀末までには氷河は消滅すると云われていますので、22世紀のモースフルー駅からの眺めは"没世界遺産"として「アレッチ・モレーンの渓谷」となっているでしょう。地球温暖化はこんなところにも影響を及ぼしています。
ミニゴンドラでリーダーアルプへ下ります。
リーダーアルプ、とても爽やかで滞在したくなる山岳リゾートです。
アレッチ氷河の絶景を見て、午前中のベルワルトでの一抹のフラストレーションがすっ飛びました。帰路のあしどりも軽くなりました。
リーダーアルプ駅の近くから見えたのは、今回の山旅のハイライト、最後もマッターホルン。
山歩きの最終日、いいフィナーレ。いい想い出をもって日本に戻れそうです。
前日に地元のスーパーで買った白ワイン、ヴァリス州の地場ワインと思いましたが、レマン湖のラヴォー地区付近のワインでした。温暖な丘陵地のワインですが、甘さが抑えられ酸味も程々でいい舌ざわりです。
ツェルマットから12日間ずっとお天気に恵まれました。まさに天の恵みというか、コロナ禍で遠路はるばると日本からやってきた日本人シニア夫婦、残り少ない余生への慈悲だったんでしょう。こうして素晴らしい山旅が無事に出来たことを素直に喜び、感謝したいと思います。
翌日はチューリッヒに移動し、数日間滞在します。・・・次回はチューリッヒ滞在記です。
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追:昨日(11月8日)の皆既月食(19:35過ぎ)。夜空や天体撮影をしたことはなく初心者ですがトライしてみました。自宅の2階ベランダに三脚でセッティング、1″スローシャッターにするもののピントも合わず、シャッターもおりず大苦戦。30枚ほど撮りましたが、ほとんどNGでまともに見れる?のは数ショット そのうちの1ショットです。 EM-5 Ⅱ 望遠ズーム75-300mm 焦点距離 124mm(35mm換算:248㎜)シャッター速度 1.3" 絞り値 F5.4 露出補正 +0.3EV ISO 1600 ホワイトバランス:オート
この記事へのコメント
tochimochi さん、氷河の後退は末端と両端から進んでいるので、縞の部分は多分土砂の流れだと思います。またモレーンの流出かも、温暖化の影響もあるかもしれませんね。流体圧制御は多分オイルダンパーのことで高低差や姿勢差を調整でき、氷河後退の影響で生ずる地盤の変化に対応できるという事ではないかと察します。リーダーアルプは滞在したくなるリゾートですね。
不勉強ですが自動調整の流体圧制御システムとはどういうことなのかと思ってしまいました。
リーダーアルプは湿原のような雰囲気ですね。ここからアルプスの山々を眺めるのは爽快そうで私も好みの風景です。
月蝕のお写真も素晴らしい、私は肉眼でしたが小さくて赤い円しか視えませんでした^^;
スイスの旅、素敵ですね。
私も氷河を観に行きました。
高山植物が家々に咲いていて、とても楽しかったです^^
赤いお月様、素晴らしいです♪
チューリッヒは日程調整の予備日でした。記事で述べますね。
プー太の父さん、温暖化の影響は氷河消滅だけでなく、海面上昇もあり大きな変化が生ずるでしょうね。北海道では4月に花見、新潟のお米よりも北海道のお米がおいしくなるでしょう。これも皮肉なことですね。
michi さん、3年前のフィッシャーアルプからの眺めが印象に残り、場所を末端に変えて再訪しました。いい風景はなんども見たいですね。先行き不透明な世でコロナ禍ロスもあり、行ける機会があれば行きたいですね。
確かに雄大な氷河を1枚の画像に捉えることは難しいですね。そんな景色にもう一度会いに行きたくなってきました。
こんなところにも地球温暖化の影響が大きいのですね。
今世紀末と言ったら地球にはあっという間の時間ですね。
当然利用料金は高くなりますね。
それでもそんなところなら行きやすいですね。
富士山にある山小屋やトイレももう少しなんとかなると
嬉しいし、行きやすいと思ったものでした。
チューリッヒは観光メインでしょうか。
あれだけ眺めることが出来たマッターホルンでも、また見たくなります。
スイスの山岳標識は統一されています。見やすくていいですね。
OJJさん、ユンフラウ展望台では寒いでしょうね。上部のアレッチ氷河はきれいに見えたでしょう。また行きたいですが、体力・脚力、気力次第。目標があれば頑張るかも?空切符でも買っておくかな。
皆既月食、狙ったものでなく適当に撮ったなかの1枚でした。(笑)
koh925 さん、たぶんあの有名な「ユンフラウヨッホ展望台」から眺めれれたんだと察します。上から見下ろす氷河もいいですね。
伊閣蝶さん、自分でプランした山旅、欲を云えば切りがありませんが長年温めていた旅ができました。最後にアルプスのシンボルとも云えるアレッチ氷河を眺めて感激に浸りました。毎回拝見戴きありがとうございます。
kuwachan さん、上述の通り、スイスでは7月上旬は一番気候が安定している時期です。後半になると旅行客も急増するので、一番いい時期ではないでしょうか。スイスは山岳交通機関が発達しているので、軽ハイキング程度でも十分楽しめますので、機会あれば是非お出かけください。天気が良ければハズレなし、圧巻の風景が待っています。
アレッチ氷河、端っこを5㎜程見ましたがXXな添乗員はミニスカートで震えていました~ 皆既月食お見事!星がチラチラ見えていますね~
本当に見飽きることがありませんね。
味わいのある標識も好きです。あ~行きたい!
見た場所は覚えていません
それは、もう最高の贈り物でしたね。
スイスも、ちゃんとお二人を見ていたのですね。
それからマッターホルンの雄姿!
素晴らしい山旅の記事をたくさん拝見でき、羨ましく思うとともに新たな発見が数多くあって感動の連続でした。
記事の加筆、楽しみ致します。
天気が悪いとお出かけも面倒になりますね。