まるで別世界の湖! ゲルマーゼー
7月11日 ゲルマー湖Germersee 氷河をいだいた峰々に囲まれた湖、まるで別世界のようです。
この日も天気予報では晴れ。アーレ川上流域にあるゲルマー湖まで脚を延ばすことにしました。
上掲のマップを+で拡大して戴くと、ゲルマーバーンのあるハンデッグはベルンとバレー県境グリムゼル峠の近くです。バス停のあるハンデグまではB.O.パスでカバーされます。
8時半過ぎのZT鉄道でマイリンゲンへ。
ZT鉄道の展望車(1st CL.)、多くの乗客が下車するブリエンツを過ぎると空席が目立ちます。
マイリンゲンでオーバーワルト行のポストバスPOSTBUSに乗車、30分ほどでハンデックバス停に到着。
ハンデグ バス停から10分ほど坂道を歩いてゲルマー鉄道駅Germerbahnに向かいます。
駅には既に先発のケーブルカーが到着していましたが、予約が必要です。
一見してジェットコースターのような感じ、急勾配を昇降するケーブルカー。2017年まではスイスでは最大勾配106%を誇っていました。元々はダム建設のために建設されました。106%というと47.8°という角度に相当。駅の標高は1,416M~湖畔駅1,860M、乗車時間は約10分です。
往復のチケットは購入時に登り下りとも予約が必要です。B.O.パスの有効範囲外の路線なので一人@CHF36フラン(往復)、円換算しない方がいいです。(笑) それでも自分の脚で登ると2時間以上はかかるので、シニアにとってはプライスレスな対価かもしれません。
ゲルマー湖一周のコースタイムは約2時間とのことなので余裕をみて下りは3時間後の便を予約しました。 夏のピークシーズンや週末は早い予約が必要と思われます。
着座方向は進行方向に向かって「後向き」、つまり下を見ながら上って行く。ゴトゴト音を立てながら上昇、車両の座席角度は固定されているので上昇するほど体が前のめりになる。
セーフティーバーが体をガードするとは云え、恐怖感を覚えます。万が一ケーブルが切断したり、ラックが破損したら一気に奈落へ。アミューズメントパークのパニック映画を思い出させます。
上昇するにつれて視界が広がりブルースカイ、谷向こうの峰々と氷河、絶景が怖さを上回ります。
まもなく1,860Mのゲルマーゼー山頂駅Germersee Bergstationに到着。ここをる訪れる大半はこのコースターのようなケーブルカー体験とゲルマーダムの散策のようです。
ゲルマー湖を周回する表示コースタイムは1時間45分(Googleでは2時間)距離は4.7KM 標高差170Mですが、2時間半かかると想定。多くのハイカー・ツーリストはダム方向へ行きますが、我々は左回りコースで歩くことにしました。前半が上り基調で難度が高く時間がかかる、後半は比較的歩き易いとの情報をもとにしました。
いきなり圧倒されるような絶景が目に飛び込んできます。氷河を源流とした融水を湛え特有のブルーになりますが、このダム湖の水はやや深みのあるターコイズブルーが鮮烈。(お天気なので露出をややアンダーにして撮ったので実際には幾分か白っぽいかもしれません。)背景の山稜はベルンとヴァレーの州境をなしています。左の氷河帯はアルプリグレッチャー、右はゲルマー・グレッチャー。
湖周回コースとはいえ、湖の北側は断崖。やや標高を上げながら断崖に刻まれたトラバース道進みます。岩石の登山道で、細く切れたところもあるので十分注意して上ります。
先行するのはサマースクール?の生徒のグループのようです。幼少から登山をしているのか、スイスイと登って行きます。
巨岩にステップが刻まれて登りやすくなっています。
大きな渓谷が見えてきました。ディーヒター渓谷の奥にはディーヒターホルン。一歩踏み外したら崖下へという部分もあり、気を付けながら歩きます。
いく筋もの滝となり、ディーヒター川となってゲルマーゼーへ流れ込みます。
アルペンローゼが咲いていました。
この手前で左の渓谷沿いを進むとゲルマーヒュッテに向かいますが、このままディーヒター川を渡渉。
このあたりが湖の最奥、谷を挟んで3千メートル峰がそそりたっています。
湖の縁に下ってから再び登りになります。奥の尖った山はゲルステンホルン3,173M、右に続く山稜はTefelgratli、右の山はSchoibhoren2,684M。
ヘンな巨岩の中を通ることも出来ます。
北西側の大岩からゲルマーホルンへ続く稜線と崖。
ダム堰越しの山岳風景が目を引きます。湖の色はこの写真に近いターコイズブルーです。
このコース一番の難所クリフサイドパスCliffsidepassが見えてきました。
大きな一枚岩の崖です。幸いにもクサリが付けられていました。
切立った細い道がまだ続きます。
このあたりまで来ると幾分ホッと一息つけます。
下から見るとこんな感じ。
ここまで約1時間10分、最初の川はアルプリ氷河を源流とするアルプリ川。
2番目の川はゲルマー氷河が源流。水に潤った渓谷ですが、この辺り花はほとんど見られず。
Wasserfall、滝となってあふれてきます。後方の山群は3千Mを越すヒンターゲルマーホーナー。
湖岸から西に方向を変え再び上りになります。南岸側は低木帯。
南からのディーヒター渓谷、滝が幾筋にもなってゲルマーゼーに注いでます。まんなか奥左がグロスゲルマーホルン。
東側はヒンターゲルマーホーナー、アルプリ氷河。ゲルマー湖に流れるアルプリ川。
対面にはゲルマー岩、歩いた崖のトラバースが見えます。
トラバース道をズームアップ。
岩のトンネルを抜けると
ハイキングトレイルサミットが近い、周回ハイクは終盤です。
ダム堰の南ハイキングトレイルサミット。
ダム堰を渡ってゲルマバーンの乗り場へ向かいます。
なぜか湖の周回には花が少なかったですが、神秘的なエメラルドの湖と取り囲むアルプスの峰々、氷河は圧巻。湖の周遊ハイクは別天地を歩いているような気分でした。
バーグステーションには13時ちょっと前に戻りました、周回は約2時間15分ほど。
予約したケーブルカーは45分待ちですが、ひとつ前の便をキャンセル待ち。ちょうど運よく2席空いていたので乗車しました。バス停に着いたらタイミングよく接続のバスが待っていました。
翌日の天気予報はイマイチだったこともあり、まだ時間が早いのでハリスバーグの「アルペンタワー」へ行くことにしました。
この記事へのコメント
緊張するところもありますね。(^^;)
湖の色が独特ですね。
日本にもこんな色の湖、どこかあったような・・・
クリフサイドパス、ちょっとスリルがありますが、鎖もあり、高低差もあまりないようなので、気にしなけらば、大丈夫そう。
imarin さん、 山へよくお出かけになるのに苦手? 大丈夫です。 絶景が怖さを克服するでしょう。!(^^)! このようなところは晴天日に限りますね。
koh925 さん、サンモリッツの近くにも氷河や湖沼がありますね。ピッツアグロリアの眺めは素晴らしかったでしょう。私も感動しました。 自由行動がもっとあるツアーがあってもいいですね、これからの時代にマッチしていると思います。
トモミ さん、 個人旅行でしか行けない山やスポット、日本のツアーパンフレットに乗っていないところがほどんどでしょう。拝見戴き幸いです。
JUNKO さん、 今年ですよ! 回想ではありません。(笑) ともかく、何かを感じて戴ければ幸いです。
まこ さん、 こういうところって日本にはなさそうですね。別世界、非日常感を味わうのが異国への旅ですね。ケーブルカーはチョットしたアトラクションの感じです。
OJJさん、 仰る通り乗りたくない斜度です、でも別世界が待っています。細く切れた崖を通らなければ周回出来ない。素晴らしさを体感する代償です。(笑) 湖の色、写真はグリーンっぽいですが、ターコイズブルー。ダムでせき止めれれた人口湖なので乳白色よりも深みのある色彩になったのかな?
ファルコ84 さん、 自然の造形が素晴らしいですが、それを楽しめるようにインフラが備わっているのが素晴らしいです。 仰る通り、国民性の違いかも・・
kuwachan さん、 一般的な湖畔の周回コースとは違って、山登りルートでした。ケーブルカーまで急峻なこと。(笑) 湖のターコイズブルーに引き込まれないように注意して歩きました。
八犬伝 さん、 このような湖はないだろうと思っていました。ところが、5日後同様に素晴らしいコースがありました。でも、秘境感はこの湖が傑出です。
tochimochi さん、 天気がいい日を選びました。同じベルナーオーバーラントでも、地域によって幾分かわります。天気予報どおりでよかったです。湖の青さには引きこまれます。アップダウン、難度にアクセントもあり素晴らしいコースでした。
プー太の父 さん、 なんといっても閑静で秘境感を感じさせ、別世界のように思えました。絶景が恐怖感を乗り越えます。!(^^)!
U3 さん、 ダム湖ですが、氷河湖のようですね。
標高のある山々に囲まれた湖美しいですね。
晴れて良かった!
ケーブルカー、簡単な屋根がついてるだけの囲いもない構造、景色はよく見えるけれど、
体が前のめり・・・それはスリルありますね。
本当にいいところですね。こういうところ、のんびりと歩いてみたいです。
バス、ケーブルカーを利用し、山へ登りましたが、氷河湖が転々と続く
景色に感動したことがあります、氷河湖は美しいですね
乗り物や歩くコースがよく整備されています。
国民性かな!
なんて綺麗な湖なのかしらん♪
ふふ♬ケーブルカーの描写面白くてワクワクしながら
読んじゃいました♪乗ってみたいなぁ!!
シートが広々として座り心地が良さそうですし
車窓に流れる湖景色も壮観で素晴らしく
スイスの鉄道らしい旅情を感じます(*'▽')
急勾配を昇降するケーブルカーは
開放感のあるトロッコ車両みたいで楽しそう♪
でもたしかに斜面を下から望むお写真はまるで
ジェットコースターの登坂部にも見えますね笑
106‰ってスゴいなぁ・・・。
トレッキングと言ってもずいぶん危険そうなところもあるんですね。
ターコイズブルーの水面と高峰を眺めながらの歩きは仰る通り、別天地の景色ですね。
湖岸同も下の廊下のようにスリリングで楽しめたと思います。
お天気も快晴で良かったですね。
それにしても、凄い角度を登るケーブルカーですね。