ゲンミ峠へ
7月14日 天気がよく、カンデルシュテークでの滞在中での目的地のひとつであるゲンミ峠まで脚を延ばしてみました。
氷河からの水をたたえたダウベン ゼー(湖)、湖岸沿いの道をたどる先にゲンミ峠があります。
ゲンミ峠はベルン州・ベルナーオーバーラントとヴァリス州(バレー州)を結ぶ峠で、ローマ時代から行き来された歴史的な街道で、軍隊、巡礼者、商人が辿った道です。ゲーテ、マークトェイン、レーニン、ピカソといった著名人も歩いたと云われています。当時はロープウェイもなくカンダーシュテークとヴァリス側のロイカバードの間は足で歩くしかなかったという秘境の谷でした。当時の峠越えの大変さが察せられます。
カンダーシュテーク到着翌日の天気は予報通り良さそうです。シャレーのバルコニーからはゲリホルン2,284M(右のピーク)に朝陽が射しています。
朝のバーンホフストラッセ(駅前通り)、平日なので静かですが週末は観光客やハイカーが往来します。
カンダーシュテーク駅、前日戴いたビジターカード(トラベルパス)を提示してスンビュール・ロープウェイ駅行のバスに乗車。バスは1時間おきの運行、駅から歩くと45分はかかります。
10分ほどでロープウェイ駅に着きます。標高1,260Mからスンビュールまでの標高差を約8分で運んでくれます。歩くとコースタイムでは2時間15分ですが、3時間近くかかりそう。ロープウェイがなければゲンミ峠までの日帰りは無理ですね。ビジターカードを提示すれば割引が受けられます。時間によっては峠の反対側(バレー側)へ下る可能性もあるので、とりあえず片道切符を購入して乗車します。
ロープウェイから見下ろすと絶壁の崖には小径があり。なぜこんな危ないところに道があるんだろうと思いましたが・・・ガステルン谷への道、翌日ここをマイクロバスで通るなんて思いもしませんでした。
スンビュール駅に併設されたバーグレストラン。ここから歩きますが10分ほど歩くと
スンビュールSunnbuel 1,930Mの標識。ここが4差路、南へはゲンミ峠へ、南東へはガステルン谷、北西へはカンダーシュテークへ下ります。ゲンミ峠Gemmipassへのコースタイムは2時間30分、標高差約400Mですがアップダウンもあり距離は約9キロ、1.3掛けでみて約3時間15分くらいと見込んで出発します。
カンデル谷を進みます。残雪が残る山々に囲まれた山峡の道を歩くのは爽快です。
平原にでると牧場、。のどかなアルプスの風景が続きます。牛舎から放牧された牛たちも気持ちが良さそうです。
ひと際目立ったピーク、たぶん左奥がリンダーホルン3,449M、右が小リンダーホルン2,975M。
西側は絶壁の壁、ウシュネグラートUschenegratと呼ばれる尾根のようです。断層がはっきりとみられアルプス造山運動の痕跡が伺えます。大昔アルプスは海の底でした。小川も流れ放牧にも植生にもよさそうです。
黄色い花畑、ベンチがありここで小休憩と水分補給。
岩にバーグホテルの掲示 ホテルシュヴァレンバッハ、ここから35分。後景は小リンダーホルン、標高はそれほど高くありませんが右尾根が削り取ったように一直線、ひときわ目立つ容姿です。
振り返るとカンダー谷の平原、ウシュネグラート尾根。今立っているこのあたりがベルンとヴァレー(ヴァリス)の州境です。
アルペンローゼの群生、今年は気温が高いせいか ややピークが過ぎている、色彩がイマイチです。
小リンダーホルンとヴィッシフルーの間のコルに向かって登りが続きます。
標高2千mくらいの低木帯になりますが、高山植物が目につきます。
セント-レアモンタナ
コルから見下ろすカンダー谷。
ホテルシュヴァレンバッハが見えてきました。
シュヴァレンバッハに到着、標高2060M。写真の撮影時間を見ると10:06、スンビュール出発が8時40分過ぎなのでここまで約1時間25分。(コースタイムは1:10)休憩をとりながらゆっくり歩いてきたので、ここはパスして先に進みます。後景の山はフェルショア2,784M。
ここからダウベンゼーまで45分、ゲンミ峠まで1時間半のコースタイム。まだ行程の半分も来てません。標識の下に、ヤギがいますよという絵とリードを付けた犬のイラスト。犬を同行の場合、リードを付けてハイクしてくださいということなんでしょう。
シレネ・ブルガリス
おや? リードなしの2匹の犬がやってきました。賢いボーダーコリーなので多分躾けられているのでしょう。
グンミ峠から下って来るハイカーとすれ違います。ヴァリス側のロイカバードからグンミ峠までロープウェイで上がってきて、スンビュールへ下るのでしょう。
和名は:忘れな草 英文名では Forget-me-not ← 直訳的ですが、ほんとうです。(笑)
前途にはゼースツットSeestutzという崖が横たわっています。
このあたりはヤギが放牧されているようです。
崖を回り込むように登って行きます。登り切れば・・・
崖を上がると、ダウベンゼーが目の前に現れました。地図上の湖面の高さは2,207M。湖の向こうに見えるのがダウベンホルン2,941M.
湖に面すると、湖面からの冷たい風が吹き上がってきます。ウインドウブレーカー代わりにレインジャケットを着ました。
湖岸の東側登山道を進みます。ゲンミ峠東にあるプラッテンホルナーも見えてきました。11時5分前です。
ダウベンゼーの湖水はブルーグレイ、氷河の混ざりものが多いのでしょうか?
左がダウベンホルン、右奥がシュヴァルツホルン3,104M。その西側には大氷原が在ります。
湖岸沿いの登山道には花畑、いろんな花が咲き乱れています。
なんとも云えないブルーの碧さ。
ロータス コルニクラトス Lotus Corniculatos
ゲンチアナ ヴェルナ Gentiana Verna
ミオソティス シルバティカ Myosotis Sylvatica、 Forget-me-not ですね、
ダウベンゼーの南端に来ました。ミニゴンドラのダウベンゼー駅舎も微かに見えます。
もう峠は近い! どんな眺めが待ち受けているのか? 期待を膨らませて最後の上り、ガンバリマス。
***一回で完結するつもりでしたが、写真がおおくなってしまいました。次回に続きます。
この記事へのコメント
トモミ さん、 断崖の小径、いったい何だろうと思いましたが、翌日通る道とは思っても見ませんでした。(笑)
いろは さん、 海外ツアーに参加したことはないですが、自由な個人旅行は自由に選んで歩けれるのがいいですね。たまには他の地域への旅行も考えましたが、もう何回も出かけれることはないので、やはり山歩きのエッセンスが詰まったスイスになってしまいます。
JUNKO さん、 日本のワスレナグサとほぼ同じだと思います、とにかくいろんな珍花が見られて楽しいです。
imarin さん、 ヤギを見かけるのは岩場が多いですね。アイベックスがいると思ったんですが、見かけることはなかったので残念です。
ヤギはよく絶壁の岩場を歩いてるヤギでしょうか。
ダウベンゼー湖、エメラルドグリーンなのですね。
スイスで自由に山歩きが出きるのは好いですね。
できればやって見たかったです^^
やはりスイスの風景は気持ちが晴れ晴れします♪
濃いブルーのお花が素敵ですね。
それ以外は何とものどかな光景で実に癒されますね!!
ご指導有難うございました。
テスト投稿してみましたが、まだまだ不慣れでお見苦しいことと思います。
時々ソネブロにもアップ致しますのでよろしくお願いします。
峠道、古道ですね。関東で云えば甲州古道と大菩薩峠かな。昔から軍隊と商人が道をつくったんでしょう。
Inamity さん、物語にでてくるようで、アルプスの雰囲気と自然の営みが詰まった道で、歩いていても楽しいです。こんな世界があるのかと・・!(^^)!
ファルコ84 さん、山の断層が斜めに刻まれてアルプスが海であったことを知らされます。観光資源が日本のように集中せず、多様な楽しみ方が出来ています。日本の山も素晴らしいですが、オーバーツーリズム。人気の観光地でも日本のように1時間も待つなんてことはないですね。観光資源への向き合い方が異なるのでしょう。
日本人のせこせこした感じと違うような気がします。
でも、正に日本人の必要としているような環境です。
お花も奇麗で癒されます。
どの風景もじっと魅入ってしまうほど、綺麗な。開放感ありますね。
Jetstreamさんの花と景色を山ほど見せて頂いて壮大な雰囲気が溢れます。
太古の昔、象を連れてアルプスを越えた将軍を勝手に連想しましたが、あれって日本では弥生式か縄文末期・・道は殆ど無かったのでしょうね~
kuwachan さん、アルプスらしい圧巻の眺め、花々の群生が見られて歩きを楽しめました。ゲンチアナヴェルナ、アルプスリンドウの濃紺に惹かれます。エーデルワイス、アルペンローゼとならんでアルプスの三大名花と云われていますね。
八犬伝 さん、 いろんな風景が非日常、想い返しても別世界を彷徨っていたのかと。またこんな旅がしてみたいです。
koh925 さん、 木々に蔽われた山もいいですが、岩肌をくっきりと見せるアルプスのやまは迫力満点ですね。花々が足を停め、ちょうどいい休憩になりますね。
テリー さん、 多くのトレッキングコースがあり、山登り、風景、花、自然といった指向に応じてルーを鰓べれるのがいいですね。
tochimochi さん、双方の登山口までロープウェイが使えれるので、脚力・体力に応じて歩き方を選べれるのがいいですね。出来れば下から登ればさらに登り甲斐が得られますね。進むごとに変化のある風景に高揚し花々には癒されました。
これだけのスケールの景色を日帰りで堪能できてしまうのは素晴らしいですね。
観光インフラが高度に発達しているのは驚きです。
お花畑も癒しのひと時ですね。
お花も色々咲いていて、楽しめますね。
迫る山も迫力が有りますが、花に出会うと立ち止まるでしょうね
絶景の崖をいくマイクロバス
怖そうですね、ここを揺られるのは。
お花も咲き乱れていて本当に素晴らしいです。青い色のお花がとっても鮮やかで綺麗ですね。