モンタンヴェールからル・シナルへ
モンタンヴェール登山鉄道 Montanvers Le Signal モンタンヴェール ドリュー グランドジョラス ウインパー峰 シャモニーモンブラン Pointe Whymper Pointe Walker Le Signal Forbes Grandes Jorasses Mer de Glace メールドグラス Aiguille du Grepon ル・シナル
7月14日 モンタンヴェールからル・シナル Le Signal へ。
翌日はジュネーブ~パリへの移動があるため、この日がシャモニーでの最後の行動日。メールドグラスとグランドジョラス、ドリューを間近に見納めることが出来ました。
シャモニーでの最後の行動日はエギューデュミディにロープウェイで上がり、エルブロンネからイタリー側のクールマイヨールへ周回しよかと思いましたが、前日夜にロープウェイの予約状況をチェックしたら夕方まで空席はなし。7月中旬の日曜日、夏のハイシーズンなのでこんなこともあるでしょう。
最期にシャモニーでの絶景を見納めたい見ておきたいということで思い浮かんだのが5年前訪れて印象に残った場所、ル・シナルへ行くことにしました。
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シャモニー駅となりのモンタンヴェール登山鉄道でこの日の山旅は始まります。一番前の特等席から動画を撮りましたが、映り込みが多くてNGです。上の写真はスクリーンショットした一枚です。
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モンタンヴェール駅とエギューデュグレポン(標高3,482M)
駅のテラスからはグランドジョラス(標高4,180M)とメールドグラス。グランドジョラス山群を眺めるならこの駅舎テラスからがベスト、東端の最高峰ウォーカー峰から西のセラ峰まで視界に入ります。ここからはゴンドラで氷河の洞窟のある谷底まで下れますが私たちは山に登ります。
モンタンヴェール駅北のホテル横を下っていく列車。架線下のトンネルをくぐって登山道へ。
右はシャモニーへ下るルート。左はル・シナル、本日の目的地です。距離はそれほどありませんが急登。コースタイムで45分ですが、約1時間とみておいたほうがいいでしょう。
シャモニー谷を挟んだ向こうにはエギュールージュ(赤い針峰群)。
アルプスでおなじみの花、ファティウマ。
標高を上げるとグランドジョラス直下のレショウ氷河も見えてきます。
低木帯にはアルペンローゼの群生が続きます。
正面にはエギューデュグレポン、眼下にはメールドグラスの視界が広がります。
メールドグラスを挟んだ対面にはドリューの存在感がアップ。
リパブリック針峰から下る尾根の末端に出ました。視界が一気に広がります。
ル・シナル フォーブス(標高2,200M)。背景の正面はエギューデュグレポン、さらにその奥にはエギュイデュプランをはじめとする針峰群が聳えています。絶景が楽しめる展望台、少し早いですがここでランチ休憩をとります。
グランドジョラスとメールドグラスを眺めるならこの地点です。グランドジョラスの左下はレショー氷河、その奥には小ジョラスとドームのようなエギューデュレショー。
メールドグラスは谷を遡った深部のジュアン氷河~タクル氷河(計5つの氷河)とレショウ氷河が源です。御覧の通りメールドグラス氷河は後退しやせ細って、大半がモレーンと岩礫ばかりの荒涼とした風景です。百年ほど前までは駅舎あたりで氷河が見れたようですが、氷河の厚さは100M以上減った上に砂礫・岩礫に覆われて氷河としての景観を留めていない有様です。(現在では駅舎からゴンドラで下降し、さらに長い階段で谷底まで下って氷河の洞窟で氷河の名残を見学することになります。謂わばツーリスト向けの展示ですが、温暖化が進めばいつかは洞窟すら消滅することになります。)自然の氷河を見たいなら、ボッソン氷河やニーディグルの方がお奨めです。
グランドジョラス北壁、一番左が主峰のウォーカー峰 標高4,208M、その右がウインパー峰 4,184M。
マッターホルンを初登頂したイギリスの登山家エドワード・ウインパーはウインパー峰をグランドジョラスの最高点として勘違いして、ウォーカー峰に登らず下山したというエピソードがあります。3年後に同じくイギリス人登山家のウォーカーが現在のウォーカー峰に登頂してしてジョラスの最高点であることが判明したようです。私が撮ったこの写真でもウインパー峰の方が高く見えます。勘違いというより、錯覚だったかもしれませんね。
もうひとつ、ここからの絶景は鋭く天に聳えるようなドリュー峰(標高3,754M)、圧巻の眺めです。ドリューの初登頂もウインパーです。
5年前に訪れた時は雲天でしたが、それでも間近に見るドリューやグランドジョラスは記憶に刻まれました。またいつか来れたらと思いました。青空に映える針峰群の眺めは期待通り、再びこうしてドリューを間近に眺めることが出来、しばし感慨に浸りました。
エギュールージュ、フレジュールからラックブランへの登山道もおぼろげに見えます。
さらに西の方をズームアップすると前日登ってたコルヌ峠も見えます。縮小前のオリジナル画僧で見ると登山道まで視認できます。やはり山では望遠ズーム。
名残りは尽きませんが、絶景を見納めてモンタンヴェールに戻ります。
シャモニー谷の街を見下ろしながら下る道端には花々がいっぱいです。
見下ろす視界にはモンタンヴェールのホテルが近づきます。
時刻は13時過ぎです。まだ時間があるので、シャモニーの街までハイキングコースを下ることにしました。コースタイムの表示は見なかったですが、たぶん2時間くらいでしょう。
下りはじめは登山鉄道沿い、ドリュー峰と後ろのヴェルト針峰群の眺め。赤い登山電車が入ればいいカットになるんですが・・撮り鉄ではないので、そのまま下ります。
途中までは岩石の道なので歩きづらいです。
ブレヴァンからエギュイデュグリエールの山稜、中央やや右のコルがコルヌ峠です。
登山道はモンタンヴェール鉄道を横切ります。
程なくして、山小屋がありました。休憩してこうかと思いましたが、混んでいて喧騒な感じなのでスキップしました。見晴らしもよくなく、中途半端?な山小屋です。
また線路を横断、たぶん回り込んでいるのでしょう。
樹林帯から出るとシャモニーの街が見えてきました。
もう15時過ぎなので上り電車はガラガラです。
モンタンヴェール登山鉄道、シャモニー駅です。ここまで約2時間半かかりました。

この日歩いたGPSログです。今回は中間駅のプランドエギューからロープウェイに乗車出来るか不確か(予約不可)だったため、帰路はモンタンヴェールからシャモニーまで歩いて下ることにしました。お薦めコースはル・シナルからプランドエギューまでのノードバルコンと呼ばれる展望コースです。(5年前はプランドエギューからモンタンヴェールへ歩きました。)
シャモニーの街で買い物をすませ、シャレーへ。シャモニー滞在も今回でたぶん最後でしょう、絶景のメモリーが更に上書きされた一日となりました。
この記事へのコメント
元気な時でないと、トレッキングは、できませんね。
nousagi さん、 モンタンベールからシャモニーへの最初の下り一部の区間はなぜか樹林帯の道なのに、ランダムに岩石がおいてあり歩き難い道です。よく写真を見て戴くと分かるように、たた無造作に石が置いてあるだけです。(笑);;その他の岩石の道は歩き易いよう敷石されて、素晴らしい風景や花々が楽しめます。!(^^)! 私も歳とともに年々山歩き力が低下、また円安進行とコストアップでこれが最後というつもりで出かけました。欧アルプスの魅力はプライスレス・・とても複雑な思いです。
岩畳のような道、歩き難くはないのかと思いつつ読み進めていたのですが
やっぱり歩き難かったんですね。(^^)
よそ見しないで、足元を見ながら・・・なんて
行くこともないでしょうが、考えてしまいました。(^^;)
こんな機会がもてて感謝いっぱいです。
アザミの1種にみえますが、フィティウマ・べトニックフォリウムのようです。
プー太の父 さん、 日本の山でも通称ゴジラの背と呼ばれる尾根があります。シャモニーの針峰はロッククライマーの世界、でも眺めは誰にも楽しめます。
おと さん、 青空ならば風景も映えます。絶壁や針峰、氷河がまとめて見れる絶景ポイントです。特にグランドジョラスの北壁には圧倒されます。北壁直下まで整備されたハイキングコースがあればいいですね。
日本人クライマーも登頂してますが、ここで命をなくした方もいます。南無阿弥陀仏・・・
ぼんさん、 カタコト音を立てながら登っていく電車、車窓からの眺めはアルプスの雰囲気満載です。自然に向きあえる旅もいいですね。
kuwachan さん、 エギューデュミディのような人気のロープウエイに限るでしょうが、事前に混雑状況(便名・空席数)が把握できます。シャモニーモンブランというアプリで、バスの時間もチェックできます。
山岳交通機関が充実しているので、普通のハイカーでも高峰の山に立てます。
どこを切り取っても絶景です。こんな世界があったんだとつくづく感じさせられました。
いろは さん、 グランドジョラスはどこから見ても、何度見ても迫力ある山です。
針峰群の眺めも別世界の山のようで、引き込まれます。
多分カンパネラ属のベルフラワーなのかな、似たような花が多いので自信はありませんが。
沿道が花畑で、脚がなかなか進みませんでした。
JUNKO さん、 掘文と撮って出しの写真ですが、拝見戴き恐縮です。
5年前撮った写真を眺め返しましたが、今回も同じ感動が甦ってきました。絶景は変わらず!
八犬伝 さん、 アウトドアでの行動ならやはりお天気。爽快に過ごせた一日でした。
予約はネット、乗り場でのキャンセル待ちもあるでしょうが、午前中は多分難しいでしょうね。
予約していても天候が悪ければ運休となりますので、これも運ですね・
tochimochi さん、 グランドジョラスの北壁は垂直で大迫力。日本人クライマーでは長谷恒さん、女性では田今井道子さん、山野井妙子さんが登頂されてますね。素晴らしい快挙ですね。
シャモニーの山は針のように尖った峰がいっぱいあります。エギュールージュ、谷の北側には多くの針峰群が存在し、岩峰の山肌が赤いのでそう呼ばれています。特に朝日や夕陽に染まるときに赤く映えます。
南側にも針峰群が多くあり、なかなか見れない絶景で印象に刻まれます。
koh925 さん、 シャモニーは名峰に囲まれた素晴らしい山岳リゾートですね。
多くの自由時間があるツアーならば、街の散策を十分楽しめますね。
いい思い出になり良かったですね、私もいい想い出になるでしょう。
先日、テレビでゴジラー1.0を観ましたが
あのゴジラの背中にそっくりです(^^
特に11枚目の写真がとっても気に入りました。
平らな地にいる身からするとまるで別の惑星にいるかのような錯覚に陥ります。
いろんな花も咲いていて、ベル型のお花の下のふさふさな植物も楽しくて。
グランドジョラスの素晴らしさが伝わって来ます♪
針の峰、本当に尖っていて荒々しい景色ですね^^
迫力ありますねぇ〜
フアティウマ、見事に咲いていますね。
ベル型のお花も可愛いです。
現地まで行って乗れません、とならないのは嬉しいですし、他にも選択肢がたくさんあるのもいいですね。
登山列車の車窓の風景に心が躍る感じがします。
お天気が素晴らしく、山々の景色に迫力感がありますね。
地球は、今でも活動しているんですね!
そこに人類が文明を築いたとは ・・・感慨深いです。
シャモニーでは自由時間が多かったので、妻と歩き回ったのを
思い出します
ここを長谷川恒夫さんがソロで登ったことに改めて感動しました。
エギュールージュはなぜ赤い針峰群なのかと思ってしまいました^^;
ドリュー峰も圧巻の鋭い峰ですね。
迫力の景色を存分に味わえたことでしょう。
気持ち良いでしょうね。
7月の日曜日、ロープウエイが取れないほど混んでいるのですね。