南アルプスと富士が見える櫛形山
先月上旬ですが、久しぶりに山へ出かけました。
11月7日、南アルプスの前衛の山 櫛形山へ。(櫛形山からの富士山)
南アルプス前衛の櫛形山、標高2,052M で二百名山のひとつ。前回は9年前の2015年10月末に登りました。百名山をすべて登頂し、二百名山にチャレンジしてみようかなという頃でもありました。
今回も櫛形山への最短で上れる池の茶屋登山口に向かいました。中部横断自動車道・増穂ICから県道413号線を道なりに丸山林道・櫛形山方面へ進み池の茶屋林道の終点が駐車場です。全線舗装されていますが、細くてくねくね曲がった坂道なのでゆっくり走行します。林道は冬季閉鎖となりますので要チェックです。増穂ICから29KM、50分程かかりました。
池の茶屋口駐車場、標高はなんと1,850M。(*_*) (*_*) 自分の脚で登ることなく車でこの様な高い標高まで来れるなんて、超楽です。駐車場は平日の木曜日、10時前ですが半分くらい埋まっていました。
休憩小屋の横に簡易トイレも2台設置されています。
池の茶屋口以外に3つの登山道(北尾根、中尾根、南尾根)がありますが、なんといっても池の茶屋口が最短コース。前回は早朝に登山口に着いたので尾根の西側からアヤメ平をまわる周回コースで歩きましたが、今回は櫛形山への直登コースを歩きます。
フェンスのあるゲートから入ります。尾根までは急登。
稜線に出ます。ここから東に富士山が見えるはずですが雲に覆われています。ここからカラマツ樹林に囲まれた尾根をジグザグに登って行きます。ここも急登が続きますが、標高が上がるにつれて広がる眺望で気分的に助けられます。
南アルプスが眺望できる展望台に着けば、南アルプスの主稜線と主な山がほとんど見られます。
左(南)から聖岳、赤石岳、悪沢岳。南アルプスの南部の名山は奥深い深部にあり、アクセスはよくなくアプローチも長いです。私だけでなく、多くの方が聖岳や光岳を後回しにしてしまったという方も少なくありません。どの山にも想い出はありますが、やはり百名山の最後百座目に登頂した聖岳には深い思い入れがあります。
南ア中部、中央やや左手のコルから頭を出しているのが塩見岳。右は農鳥岳。
そして白根三山。農鳥岳、間ノ岳~北岳は3千メートルの稜線。このカットには入っていませんが甲斐駒ヶ岳と百名山が6座見通せます。いずれも自分の脚で登ったので、稜線のプロフィールをみればすぐわかります。
ここからは緩いアップダウンが続きます。
この先に櫛形山(奥仙重)標高2052Mと木板に記された簡素な標識のあるピークがあります。櫛形山の三角点は奥仙重にあります。
奥仙重から下ったコルからは雲海に浮かぶ富士山が見えました。
櫛形山山頂、標高は2.052Mと奥仙重と同じです。山梨百名山の標柱もここに在るので、櫛形山の山頂はココなんでしょう。樹林に蔽われて眺望はありませんが、南側に開いた場所からは富士山が見えます。
原生林の森、奇妙な風景。
苔むした森。
このあたりの山域ではサルオガセが多く見られます。不思議な植生。
樹林帯の広い尾根を北に進みます。カラマツの黄葉はほぼ終わりで黒ずんでいます。
ここがこの日のゴールです。
裸山 標高2,003M。西側には白根三山の眺め。
東側の稜線越しには富士山と好展望の山頂です。ここで本日のランチ。久しぶりの登山なのか、相方も最初の急登で少々バテたようです。私は調子は良かったです。標高差も少なく、緩やかなアップダウンで今の私にはちょうどいいです。息をきらしながら何時間も登り続ける登山はもう無理です。
北岳と間ノ岳をズームアップ。11月の上旬ですが、まだ雪は降っていないようでした。
こちらの山も未冠雪。
復路のコルからは雲がとれて山麓の町と富士山が見れました。ここも絶景ポイント。
奥仙重からの尾根の下り。落葉した樹間からは富士川沿いの山麓が見渡せます。
尾根の開けたところから、カラマツの黄葉と富士山。紅葉はピークを過ぎて色あせた感じです。標高2千M近い山での紅葉(黄葉)なので早いのは当然ですが、9年前の写真を見比べてみました。
前回は1週間ほど早く訪れたのですが、輝く黄葉が見れました。山の降雪も遅く富士山頂も未冠雪、紅葉(黄葉)はやや遅いと思っていましたが場所によっては必ずしもそうではないようですね。日本列島での温暖化は、夏はさらに暑く、冬はさらに寒くなるとのこと。季節感も変わりつつあるようです。
展望台から、塩見岳~白根三山~甲斐駒ヶ岳のパノラマ展望はここで見納め。
カラマツ林の間は防火帯? この急坂を九十九折に下っていきます。
尾根の末端にあるコルから池の茶屋入口に戻りました。
休憩含めて4時間半くらいのハイクでしたが、天気も良く南アルプス・富士山の展望にも恵まれ、久しぶりに静かな山歩きを楽しむことが出来ました。展望がよく歩き易い山なので来年もまた来れるのなら、アヤメの時期か10月中旬にモミジ沢~アヤメ平を廻る周回コースが歩けれたらと思います。
「百名山」踏破からもう9年、世は移り「百低山」がクローズアップされる昨今。日本百名山の著者である深田久弥も最近の「百低山」ブームは予見してなかったでしょう。私も今や#楽名山#にシフト中。でも、「名山」ならぬ「迷山」に入り込まないようにしたいですね。
*自宅近くの公園にて、11月末
この記事へのコメント
imarin さん、今回も途中区間工事中でした。最近山道の崩落が多くあちこちで林道が工事中です。ホームページでの案内も不徹底なことが多いです。
風の友 さん、 私もあちらこちら、いろんな科にかかっています。元気な健脚の方の記事を拝見し、同様に羨ましく思います。自分の脚元をみてほどほどに歩ければと・・
プー太の父 さん、私も伊吹山はスカイラインで登りましたが、刺されましたので(笑) 後日麓から登り直しました。;;
最期の百、聖岳の山頂に立った時は大感動!忘れられません。
この時期は空気も澄み切って気持ちが良かったでしょう。
百名山最後の山が聖岳だったのですね
私は本州の百名山は車山と赤城山だけです。
伊吹山はほとんど車だったので登山になりませんね(^^
歳を重ね、持病を抱えている今は、登れません。
つらいですが、他の方の登山報告を見て、楽しんでいます。
ありがとうございます!
岩が崩落して帰れなくなりそうになったことが・・・
ショベルカー2台が作業している間、同じように足止めされた皆さんと見守った思い出があります。
JUNKO さん、 少しでも登山道の様子を拝見戴き、なんとなく雰囲気を感じ取って戴ければ幸いです。
北海道の百名山はすべて登りましたが、どれもすばらしかったです。サルオガセ、富良野近く樹林でもみたような記憶在ります。
ファルコ84 さん、秋の山歩きは快適で歩き易く、紅葉も楽しめて快適ですね。いつも思うんですが、富士山を見ながらの登山は気分をアップしてくれます。日本アルプスはヨーロッパアルプスにも引けを取らない素晴らしさがあります。
おと さん、 サルオガセが樹林の枝から多く垂れ下がり、苔むした森林のなかを歩くのは神秘の世界で、厳かで清廉な気分になります。林道でアクセスできるとは云え、入山者も少なく静かな山の雰囲気にひたることが出来ました。
kuwachan さん、 久しぶりの山歩きですが、標高差も少なく富士や南アルプスの峰々の眺めを楽しむことが出来ました。奥深い山域ですがクルマでアクセル出来、こんな登山コースがもっと日本あったらいいと思います。
曇天下の紅葉で逆光なのでフラッシュ撮影ですが、やや露光が強すぎた感あります。
いっぷく さん、 櫛形山の広葉樹はもう落葉でしたが、カラマツ林の黄葉はなんとかまにあいました。自宅近くの紅葉も今はほぼ終わりました。サクラと同じで毎年のたのしみですね。
OJJさん、 私も見てます。低山とは云え山麓の標高が低いので、標高差は結構ある山が多く侮れませんね。ドキュメント風の番組ではなく、毎回いろんな女優さんと登って下山後はお酒で一杯と楽しいです。
六甲山は大昔車で登りました。麓からは結構きつそうです。山の高さよりも標高差次第と最近感じます。
トモミ さん、 交通機関がない山域なので、意外に入山者は限られます。雪のない富士山はシルエットですね。やっぱり雪を抱いた富士がみたかったです。
tochimochi さん、 山の標高云々でなく標高差のあるアップダウンの踏破されるtochimochiさんの脚力、胆力こそリスペクトすべしです。脚力体力があれば、奥深い山まで登って行けるんですがだんだん無理になりました。楽山歩きにはこんな林道があるのはとても助かります。歩いた山を近隣の山から眺めるだけでも幸せです。
そしてカラマツ林の黄葉が何とか見れたこと。何処であろうと、山歩きはいいですね。
Inatimy さん、 このあたりなら、欧州アルプスの景観にもひけ劣らない眺めで、ちょうど歩き易い季節とお天気でした。周囲の名山を眺めながら歩くのは疲れを相殺しますね。
八犬伝 さん、 久しぶりに爽快な山歩きを楽しめました。
アップダウンはあるのですが、標高差や急登が少ないので歩き易いです。
テリー さん、 都心までは近いですが、渋滞を抜けるのは大変ですね。私も一時東京ですが千葉県境お沿いに住んで居たのでよくわかります。日帰りはキツですね。でも一泊されれば楽なので、機会あればトライしてみて下さい。楽なコースだと思います。
nousagi さん、 南アでも櫛形山や甘利山はアクセスがいいし、登りやすいです。夜叉神峠もいいし、短時間で眺めのいい展望地に立てますね。登山歴豊富なnousagi さん、思いだされるでしょう。
durumusuko さん、 日本アルプスはどこも奥が深くてアプローチが長く、年を重ねると厳しくなりますね。
でも車で高所まで行けるのはとても助かります。思い返せば、現役時代は仕事だけで余暇はなく山もほとんど登れませんでした。定年退職後も働きながら週後半で百名山を登りました。コロナを機にリタイアしました、いつまで登れるかわかりませんが、最後の道楽です。
百名山も突破され、充実した登山人生でうらやましい限りです♪。
今回は富士山も見えて、またカラマツがとても綺麗で、良かったですね~(^^♪。
11月の上旬ですか、カラマツの黄葉もいいですね。
ここは一度行ったのですが、記憶が曖昧です。
私のマンションからは、都心を抜けるのが結構大変なので、ここも、少しハードルがあります。
心地よいでしょうね。
曲がりくねった細い山道
時間が掛かりますよね。
山の上にこっそりチラ見えしてるような富士山の写真も面白く。
お天気もいいし、こんなふうに山を歩くの、楽しげです。
そして2000mまで登れば素晴らしい展望、低山ばかり歩いてる私には羨ましい限りです^^;
かつて登られた山々を眺めながら懐旧のひと時だったことでしょう。
11月上旬でもこの標高では紅葉は終わりでしょうが、カラマツ林は見事ですね。
南アルプスや富士山の格好の引き立て役となってます。
サルオガセも不思議な植物ですね。最初に見た時はとろろ昆布みたいと思ってしまいました。
播州なら1000mで最高峰です~
ご自宅近くの紅葉もとっても綺麗ですね!まるで千代紙のようです。
苔むした森、いいなぁ。苔が大好きです。サルオガセも面白いですね~。
登っていないのに、登ったような気持になりました♪ いつか登ってみたいです。
紅葉は奇麗だし、何処から見る富士山も素晴らしい!
日本の山もヨーロッパに引けをとりません。